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膝の治療法

中高年になって膝関節に痛みが出現する病気に変形性膝関節症があります。最初は立ち上がる時や階段を下りる時に痛みを感じ、水が貯ることもあります。次第に膝のO脚変形が進むとともに膝の曲りが悪くなり、正座が出来なくなります。

足底板
足底板

この疾患の治療法は程度に応じて幾つかあります。軽度な段階では下肢の筋力をきたえる理学療法に加え、鎮痛剤や湿布薬で治療可能ですが、中等度まで進むと軟骨修復剤であるヒアルロン酸の関節注入や足底板という装具療法が必要となります。

これらの治療でも改善しない場合は手術療法でなおします。活動的な70才以下で北大病期分類が3期以下の患者さんには高位脛骨骨切り術(HTO)といって、脛骨(すねの骨)をドーム状に骨切りし、外側に骨を傾けることにより、内側に片寄っていた荷重線(体重のかかる方向)を外側に分散させ痛みを減らす治療法が行われます。入院期間が2〜3カ月かかりますが、手術後はスポーツや重労働も可能で、リハビリを一生懸命すれば正座も可能になります。

もう少し病期が進めば内側のみの人工関節で治療します。人工膝関節単顆置換術(UKA)といって病変のある内側のみ小さな人工関節で置き換えます。最近は最小侵襲手術法(MIS法)が行われ入院期間も短く正座が可能になる人も多数おります(詳しくはコチラをclickして下さい)

HTO術前 HTO術後

HTO創外固定中

HTO患者さんインタビューへ>>

最も変形が進んだ段階になれば人工膝関節を入れなければ治りません。最近は器械や技術が進歩し安全で確実な手術が行えるようになっています。(詳しくはコチラをclickして下さい)

膝の最小侵襲手術法

できるだけ小さな傷で手術を行う最小侵襲手術が広まりつつあります。腹腔鏡を通して行う胆嚢摘出術、卵巣摘出術、前立腺摘出術などが普及しつつありますが、整形外科領域でも30年前から関節鏡を使って半月板切除術や十字靭帯再建術が行われておりました。最近では骨折や、神経管開放術にも応用され各種の手術に応用されるようになっています。医師にとっては熟練と器用さを要求される技術ですが、患者さんの体にとっては負担が少なく、入院期間や社会復帰までの期間が少なくて済みます。

人工関節形成術の分野でもMIS法が開発され、当院では2001年3月より人工膝関節単顆置換術(UKA)MIS法で行うようになり、入院期間が大幅に短縮されました。従来15pあった切開創も半分の7pで済み、筋肉を傷めないので筋力の回復が早く、早期に歩行が可能となります。膝関節の動きもよく、正座可能な人も従来の方法に比べ約2倍(20%)に増えました。今後この技術はどんどん進歩し、20〜30年後には全ての手術が大きく皮膚切開せず、小さな穴から手術をする時代になるかも知れません。

UKA(XP) UKA(正座)

 
MIS法(手術創)    

人工膝関節形成術

膝関節の内側の軟骨が消失したり、関節全体の軟骨が消失している場合人工膝関節が適応となります。痛みが強く歩行が困難になったり、階段昇降ができなくなるとこの手術が必要となります。

膝関節前面を約15p切開し、変形した軟骨や骨の一部を切除し、合金で作られた人工関節を挿入します。当院では最も摩耗が少なく、かつ曲りがよくなるLCS人工膝関節をアメリカから輸入して使用しております。膝の曲りが平均128°で、現在報告されている人工膝関節の中では最もよく曲っています。メニスカル・ベアリングという移動可能な高質プラスチックの部分が軟骨の代わりをしており、スムーズに膝が動くようになっております。入院期間はリハビリも含め4から6週間を要しますが、最近では階段昇降だけでなく正座ができる人も出ており、痛みがなく歩けるようになります。

以前は手術をすると曲らなくなるとか、歩けなくなるなど言われていましたが、最近では手術をした後、ゴルフができるようになったり、山登りをしたりする人も現れほとんど生活に不自由がなくなっています。麻酔や手術方法の進歩により、安全で確実な手術が行えるようになったと言えます。

人工膝関節片側置換術

内側の軟骨がほとんど消失した変形性膝関節症(北大病期分類3期と4期)や特発性骨壊死で一部の骨が欠損し激痛を伴う方には、短期間に確実に痛みがとれる人工膝関節単顆置換術(UKA)が適しております。

軟骨が老化しすり減った内側のみ骨と軟骨を削り、小さな人工関節を挿入する手術です。私が2001年1月アメリカへ行って習得した最小侵襲手術法といって7-8pしか切開しない小切開での手術が可能となり、筋肉をほとんど傷つけないので術後の回復が早く、入院期間は約1カ月と短縮されました。正座できるようになった人が30%もおり、ほぼ正常に近い動きが可能となっております。

ただしあまり太った人や骨粗鬆症のある人では、内側の骨がくずれて人工関節がずれてしまうことがあり、あまり適しているとは言えません。

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